今、パチンコ業界はホール総数の減少に見舞われています。このような状況下で、今年からいよいよ導入が始まるスマートパチンコは知っていますか? スマートパチンコとは、パチンコ機内で遊技球が循環し、遊技客・ホール従業員が一切遊技球に触れることなく遊ぶパチンコ機のことです。 スマートパチンコの開発・導入はパチンコ業界の低迷打破に向けた取り組みとして、そして反転攻勢の起爆剤として期待されているのです。
< 目次 >
- パチンコ業界の課題
- スマートパチンコの開発
- スマートパチンコ開発の目的
- スマートパチンコ導入のメリット
- 導入スケジュール
< 1.パチンコ業界の課題 >
経済情勢・社会状況の影響を受けて、かつて最大18,000店舗あったパチンコホールは今や8,000店舗にまで減少しています。そして今なおパチンコ業界は多くの課題に直面しているのです。
具体的な課題としては次のようなものがあります。
〇違法行為の問題: 違法行為により合法的なパチンコ業界は損害を受けています。
〇新型コロナウィルスの影響: 新型コロナウィルスの拡大に伴い、パチンコ機の使用制限やホールの休業などが行われました。これによりパチンコ業界は大きな損害を受けました。
〇若年層の減少: 若年層がパチンコに興味を持つ割合が低いと言われており、今後のパチンコ業界の発展にとって懸念事項となっています。
〇ゲームの多様化:オンラインゲームやeスポーツなど、多様なエンターテイメントが競合する環境下にあります。これに対応するために、パチンコ業界も革新的なゲームを開発することが求められています。
〇厳格な規制: パチンコに関する法律や規制が厳格化する傾向にあり、それに対応するための負担が増加しています。
こうした様々な課題に対応するために、パチンコ業界は技術革新や新しいビジネスモデルにもとづく新たな取り組みが求められているのです。
< 2.スマートパチンコの開発 >
パチンコ業界の新たな取り組みとして、次世代遊技機とされる「スマートパチンコ」の開発が行われています。
スマートパチンコとは遊技球に触れることなく遊ぶパチンコ機のことです。遊技球をパチンコ機内で循環させ、電子情報の計測で遊びます。そのため遊技球をパチンコ機に投入することがなくなるのです。
これにより遊技球箱を使う必要もなくなります。出玉情報は遊技機情報センターに送信され、一元的に集約・管理されます。
< 3.スマートパチンコ開発の目的 >
スマートパチンコは4年前に規則が改正され、開発が可能となりました。
スマートパチンコ開発の目的は、業界団体の資料によると次のように記載されています。
〇〈「過度な射幸性の監視と抑制」を目的に、「出玉情報等を容易に確認できる遊技機の開発・導入」〉
○〈射幸性が過度に高まることを防止することで、金額、遊技時間、遊技回数を適正化していく〉
つまりスマートパチンコは、ギャンブル等依存症対策強化を目的として開発されたパチンコ機なのです。
< 4.スマートパチンコ導入のメリット >
ギャンブル等依存症対策強化を目的として開発されたスマートパチンコですが、導入に際して様々なメリットが認識されています。
具体的には次の通りです。
○遊技球に触ることがないので新型コロナウィルスなどの感染症対策になります。
○出玉情報が遊技機情報センターで一元管理されることで、不正の発見・対応がスムーズにできるようになります。これはゴト行為の対策になるものです。
○ホールにとっては、遊技球の保管設備を省くことができるので、新しく店を構えるコストが軽くなります。またスペースの余裕からパチンコ機の設置台数を増やすこともできます。
○従来の島設備にこだわる必要がなくなるので、様々なレイアウトが可能になります。
○ホール従業員は計数・遊技球箱運搬の仕事が軽減されます。こうした遊技球関連の仕事が減ることで、他のサービスに労力を回すことができます。
○遊技球の補給から発生する騒音が軽減されることで、心地よい空間になります。
そしてこうしたメリットが、若年層を始めとした新規顧客獲得につながることも期待されているのです。
< 5.導入スケジュール >
反転攻勢の起爆剤として期待されているスマートパチンコは、2023年3月ごろから5月にかけて導入が始まっていくとされています。まだ確定した情報ではありませんが、2023年の中頃までにはホールに登場する予定です。今後、導入機種・導入時期については準備の整ったメーカーやホールから順次発表されていくことになります。