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学生アルバイトの「103万円の壁」について説明します

2023.02.13

学生アルバイトで働いていると103万円の壁という言葉をよく聞くのではないでしょうか? これは税金がかかるボーダーラインの収入額のことです。 収入の壁としては103万円の他にも、「106万円の壁」「130万円の壁」「150万円の壁」があります。 この記事では学生アルバイトにおける103万円の壁について説明をしていきます。

 

<103万円の壁>

年収には税金がかかってくるボーダーラインの金額があります。

103万円の壁とは所得税がかかってくるボーダーラインの金額のことなのです。

つまり給与年収が103万円を超えると所得税が発生します。

そして年収が103万円以下であれば所得税はかからないのです。

 

 

<年収の算出の仕方>

年収額は次の点を踏まえて算出します。

 

・1月から12月までに支払われた給与すべてを合算する。

・交通費や通勤手当などは除く。

・複数のアルバイトを行っていた場合、あるいは年の途中でアルバイトを変えた場合、すべての給与を合算する

・ただし12月の給与が1月に支払われる場合、その給与は翌年分の扱いにする。

 

<103万円がボーダーラインになる理由>

所得税を計算する際は、まず控除金額を年収から引きます。具体的には、給与年収から「基礎控除」と「給与所得控除」を引くことができるのです。そして残った金額に対して所得税率を掛けて所得税を算出します。

 

この控除には、すべての人が控除することができる「基礎控除」48万円と、給与所得者が年収から引くことができる「給与所得控除」55万円があります。そしてこの2つの控除を足した金額が103万円になるのです。

 

したがって給与による年収が103万円以下の人は、控除後の課税対象となる所得がゼロということになります。

 

・給与年収103万円

103万円-基礎控除48万円-給与所得控除55万円=0円

⇒控除後に課税対象となる所得がゼロ=所得税が発生しない

 

・給与年収120万円

120万円-基礎控除48万円-給与所得控除55万円=17万円

⇒控除後に課税対象となる所得が17万円ある=17万円に対して所得税が発生する

 

<扶養者(親)の税金への影響>

103万円の壁は、扶養者(親)の所得税・住民税にも影響します。子供の給与年収が103万円を超えると扶養者(親)の所得税・住民税負担が増えてしまうのです。

 

扶養者(親)は、子どもなど被扶養者の給与年収が103万円以下であれば扶養控除を受けることができます。しかし被扶養者の給与年収が103万円を超えると扶養控除が受けられなくなり、扶養者(親)の所得税・住民税負担が増えることになるのです。

 

<103万円の壁の注意点>

◇雇用主に伝える

給与年収を103万円以内に抑えるためには、そのための出勤調整が必要になります。これには職場の理解が必要です。雇用主やバイトリーダーなどの責任者には、前もって年間103万円以内に抑えたいことを伝えて了解を得ておきましょう。

◇出勤調整をする

年後半、自分は合計いくら給与収入があって、年間103万円以内で抑えるためには今後どれくらい出勤できるのかを気に留めておく必要があります。

 

特に夏休み中にたくさん働いた場合は注意が必要です。ちなみに103万円を12か月で割ると1か月約86,000円になります。これもひとつの目安です。

◇ネットビジネス等、給与以外の収入に注意

例えばアフィリエイトやネット販売などのネットビジネスで得た収入は給与ではありません。そしてこのような給与以外の収入には「給与所得控除」55万円を適用することができないのです。

 

したがってネットビジネス等、給与以外の収入で控除できるのは「基礎控除」48万円だけとなります。すなわち48万円を超えると所得税が発生することになるので注意をしてください。

 

<まとめ>

このように給与年収103万円のボーダーラインを超えた場合、学生と親の両方に税金の負担が発生してしまいます。

そのためアルバイトでどれくらい働いて収入を得るのか、103万円以内に抑えるのか、あるいは税金負担が発生してもその分を補って余りあるほど長時間働くのか、家族で働き方の検討をしておく必要があるのです。

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